健康は、内面から・・・
お医者さんにきいた!最先端医療現場のお話
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林田孝平 先生
医療法人財団康生会 タケダ放射線科クリニック
武田病院画像診断センター センター長
1975年三重県立大学医学部卒業後、国立循環器センターにて勤務。アメリカメリーランド州の米国保健研究所(National Institutes of Health)に留学経験もお持ち。1989年第27回日本核医学会賞を受賞。SPECT、PETに関する論文は200を超える。
2004年9月から現職に就かれ、現在は日本核医学学会評議員、日本脳卒中学会評議員、大阪大学医学部、三重大学医学部、山口大学医学部の非常勤講師、国立循環器病センター客員教授も勤められています。
PET検査のしくみをおしえてください
武田病院で行われているPET-CT検査は、普通のPET検査とCT検査をあわせたものですが、まずPET検査のしくみをおしえてください。
「PET検査とは、ガン細胞が正常細胞よりも多くブドウ糖を消費することに着目した検査法です。PETとは、Positron Emission Tomography=陽電子放射断層撮影法の略ですが、少し難しいですよね。」
そうですね、わかりやすく教えていただけますか。
「簡単にいうと、陽電子を1つ多く帯びたブドウ糖を作成し、それを断食状態の体内に投与します。代謝にはブドウ糖が不可欠ですので、陽電子でマークされたブドウ糖を身体はそのまま使います。ガン細胞は、普通の細胞の3~8倍のブドウ糖を消費するので、ガン細胞のところにマークされたブドウ糖がたくさん集まります。これをPETで撮影すると、陽電子が白く見えますから、ガン細胞の部分の白色が濃くみえるわけです。」
CT検査とあわせることによる利点は何でしょうか
「CT検査だけでは、小さいガン細胞はほとんど見つけることができません。また、PETだけですと、炎症を起こしている部分もブドウ糖を多く消費しますので、炎症部分も濃くみえてしまい、ガン細胞と見分けにくいのです。このPETとCTのふたつをあわせることにより、位置や形態が正確にわかります。」
なるほど。PET検査だけでもCT検査だけでも、見分けにくい部分があるのですね。
小さいガンも発見できるのですか
PET-CTですと小さいガンも発見できるといわれますが、実際にはどれぐらいの大きさのガンから発見が可能なのでしょうか。
「実例でいいますと、画像では点にしか見えない1mm程度の乳ガンを発見しました。乳ガンをこんなに早期に発見することは、従来では非常に難しかったのですが、PET-CTでは短時間に、痛みもなく、発見することができます。」
PET-CTで見つけにくいガンはあるのですか
逆に、PET-CTでは見つけにくいガンはあるのでしょうか。
「あります。PET-CTとはいっても、やはりオールマイティではありません。 投与する薬剤(陽電子でマークされたブドウ糖)が尿として排出されるため、腎臓や膀胱のガンを発見するのが難しいのです。」
なるほど。しかたがないということですね。
実際の検査についておしえてください
実際に検査を受ける際の流れについておしえてください。
「まず、検査開始の5時間前からは、食事は控えるようにしてください。これは、体内の糖の代謝を正しく診断するためですので、糖分の含まれない水や日本茶などは、飲んでも大丈夫です。 あとは当院に来ていただき、採血後、薬剤の注射をします。その後、薬剤を全身に行き渡らせるために、1時間程度ゆっくりと休みます。その後、PET-CTでの撮影となりますが、実際は20分ほどベッドに横になっていただくだけです。 検査が終了したらリカバリールームで休憩・軽食をとり、終わります。」
なるほど。特に痛いこともなく、基本的にはゆっくりくつろいでいればよいのですね。
「そうです。特にしていただくこともないので、楽に受けていただけます。」
検査結果はどうやって知るのですか?
「結果は、通常10日程度で書類をお送りします。もっと早く知りたい方は、ご相談ください。」
検査も結果を知るのも、とても簡単ですね。
結果の告知についてはどうお考えですか
現在はガンについての理解もあるので告知に気を遣われることはそこまでないと思いますが、一昔前は大変ではなかったでしょうか。
「そうですね。現在のように、直接本人に告げることはほぼありませんでしたからね。そういった意味ではここ数年でPET-CTが一般的になりつつあります。以前は医者が診察してガンと疑い、そこから検査を初めていたのが、今では患者さんがご自分で予約し、検査を受けることができますから。」
そうですね。もしも、と思ったらすぐに検査を受けることが大切ですね。
「そうです。特にガンは進行する病気ですから、すばやい対応が必要です。」
ガンが一般的に受け入れられる病気になってきて、健診の役割も変わってきたように思います。
ブドウ糖は、ガン細胞により多く消費されるので、そのブドウ糖を陽電子でマークして撮影することにより、ガンの部位を推測する。また、ブドウ糖の濃さにより悪性度も目で確認できる。